受動喫煙対策を強化する健康増進法の改正案をめぐり、衆議院厚生労働委員会で参考人質疑が行われ、専門家からは、既存の経営規模の小さい飲食店は喫煙を可能にできる経過措置に対し、批判が相次ぎました。
健康増進法の改正案は、新たに営業を始める飲食店や規模の大きな店では喫煙スペース以外禁煙とする一方、既存の客席面積が100平方メートル以下で経営規模の小さい飲食店は、表示すれば喫煙が可能とされています。
15日に衆議院厚生労働委員会で行われた参考人質疑では、5人の専門家が意見を述べ、このうち自民党が推薦した全国がん患者団体連合会の天野慎介理事長は「例外的な規定は漫然と放置せず、早期に見直すべきだ。法案を成立させるだけでなく、さらなる対策を推進してほしい」と述べました。
また、公明党が推薦した全国保健所長会の山中朋子会長は「経過措置は不十分と言わざるをえないが、まずは法案を成立させることを優先すべきだ」と述べました。
一方で、立憲民主党が推薦した日本肺がん患者連絡会の長谷川一男理事長は「飲食店を禁煙にするとうたいながら、例外となる店が55%にも上る」と批判したほか、国民民主党が推薦した名古屋市立大学病院の大手信之副病院長も、「100平方メートルはかなり広い」と指摘しました。
さらに、共産党が推薦した東北大学の黒澤一教授は「完全禁煙にした店を助成すべきだ」と指摘しました。
-- NHK NEWS WEB