天皇陛下は15日、ベンチャー企業の製品開発を支援している、東京都内の金属加工会社を視察されました。
天皇陛下は15日午前、東京・墨田区の金属加工会社「浜野製作所」を訪問されました。この会社は、深海で生き物の撮影に成功した海底探査機「江戸っ子1号」の共同開発に参加したことでも知られ、高い技術力を生かして、ベンチャー企業の製品開発を支援する施設を設けています。
天皇陛下は、ベンチャー企業が、この会社の支援を受けて完成させた電動車いすをご覧になりました。この車いすは、従来の製品に比べ段差をスムーズに走行できるということで、天皇陛下は、開発したベンチャー企業の社長に、「高齢者もずいぶん増えていくでしょうから、よいものが供給されるといいですね」と話されました。
また、天皇陛下は会社の工場にも足を運び、プレス機を使ってニットを編む機械の部品を作る作業を視察されました。天皇陛下はこのあと、会社の社員などと懇談し、「皆さんの技術で、世界が幸せになれるように頑張ってください」などと言葉をかけられたということです。
天皇陛下は、皇太子時代から産業の奨励を目的とした企業の視察を重ね、即位後だけでも40か所を超えていますが、来年4月の退位を前に、天皇としてこうした公務に臨まれるのは、最後の機会になるものとみられます。
-- NHK NEWS WEB