社員に違法な長時間労働をさせていた疑いで書類送検された大手広告会社の「電通」では仕事始めの4日、石井直社長が年頭のあいさつで社員に対し、問題の原因は会社に内在する課題から生じたものだとして、反省する考えを示しました。
電通は新入社員だった高橋まつりさん(当時24)や別の社員2人に違法な長時間労働をさせていたとして、先月28日、会社と当時の上司が労働基準法違反の疑いで書類送検され、石井直社長が一連の問題の責任をとって今月中に辞任することを表明しています。
仕事始めの4日、東京・港区の本社には多くの社員が厳しい表情で出勤してきました。このあと石井社長は年頭のあいさつで社員を前に「問題の原因はわれわれに内在する課題から生じたものであることを真摯(しんし)に反省し、改革を不退転の決意をもって進めていく」と述べました。
そのうえで石井社長は「改革は経営だけの力で成し遂げられるものではなく、社員の努力と行動が最も大切な力になる」と述べ、企業風土を変えていくために社員の協力が欠かせないという認識を示しました。
電通は一連の問題の責任を明確にするため、今月中に取締役会を開いて執行役員やその他の社員についても厳正に処分する方針です。
-- NHK NEWS WEB