イギリスでは、ロンドンの高層住宅の火災で72人が死亡してから1年となるのにあわせて、各地で追悼集会が開かれ、遺族などが祈りをささげるとともに、原因究明を急ぐよう訴えました。
去年6月、ロンドン西部にある24階建ての高層住宅から火が出て、またたくまに建物全体に燃え広がり、72人が死亡しました。
それから1年となった14日、イギリス各地で追悼集会が開かれ、火災が起きた建物や首相官邸などがライトアップされました。
火災の現場には遺族や付近の住民、それに消防隊員が集まり、ろうそくに火をともして祈りをささげたり、犠牲者の写真をかかげて行進したりしていました。
この火災をめぐっては、建物の外壁に燃えやすい素材が使われていたことや、避難経路が少なかったことで被害が拡大したのではないかと指摘され、調査委員会が原因の究明を行っています。
しかし、結論が出るのは来年以降になると見られ、これまでのところ、同じ素材の外壁が使われた建物の防火対策などは進んでいません。
この火災で友人をなくした男性は「建物の外壁を製造した企業や、地元自治体は互いに責任を押しつけ合っている。これだけの犠牲が出たのに、真実がいまだにわからないことに失望している」などと述べ、原因究明を急ぐよう訴えていました。
-- NHK NEWS WEB