各国が開発と普及を急ぐ、電気自動車の次世代バッテリーについて、NEDO=新エネルギー・産業技術総合開発機構は、国内主要メーカーと連携して技術開発を進めると発表しました。世界市場で優位に立つため、開発した技術は国際標準化を目指すということです。
これは経済産業省が所管する、国立研究開発法人NEDO=新エネルギー・産業技術総合開発機構が15日、東京でトヨタ自動車やホンダなどメーカー4社と会見し、明らかにしました。
開発するのは、世界各国が開発と普及を急ぐ電気自動車を動かすための、次世代バッテリーで、「全固体電池」と呼ばれるものです。
「全固体電池」は現在、普及している液体をつかった「リチウムイオン電池」と違って、硫化物などの固体を採用することで、蓄電能力を高めて走行距離を大幅に伸ばせるということです。
液漏れや発火などのリスクも減り、電気自動車の性能向上には不可欠と言われています。
現在、メーカーがそれぞれで開発を進めていますが、NEDOでは、より電気をためることができる物質の選定のほか、効率的な充電システムや安全性の評価手法など、基盤となる技術を連携して開発することで、2030年ごろには1回の充電で今のガソリン車なみに走れる電気自動車を完成させたいとしています。
また、開発した技術は世界市場で日本メーカーが優位に立てるよう、国際標準化を目指すと説明しました。
開発に関わるのは、合わせて40のメーカーや研究機関などで、NEDOの佐藤嘉晃理事は「勝ち残って世界をリードしていくには、バッテリーの技術革新が不可欠。オールジャパンで開発を急ぎたい」と話していました。
-- NHK NEWS WEB