静岡県伊東市の前の市長が、ホテルの跡地を市で買い取る約束をした見返りに跡地を所有する建設会社の役員から現金およそ1000万円を受け取ったとして、収賄の疑いで警視庁に逮捕されました。
逮捕されたのは、静岡県伊東市の前の市長、佃弘巳容疑者(71)です。
警視庁によりますと、佃前市長は、市長在任中の平成27年の8月から9月にかけて、地元の建設会社が所有する市内にあるおよそ4000平方メートルのホテルの跡地を市で買い取る約束をした見返りに建設会社の役員から現金およそ1000万円を受け取ったとして、収賄の疑いが持たれています。
また、伊東市の建設会社「東和開発」の役員、森圭司郎容疑者(47)を贈賄の疑いで、金のやり取りを仲介したなどとして、川崎市幸区の会社員、稲葉寛容疑者(50)を収賄のほう助の疑いで逮捕しました。
ホテルの跡地は、平成26年に「東和開発」がおよそ4800万円で購入し、平成27年、市に2億円余りで売却されています。
市の議事録などによりますと、この契約は前市長みずからが指示して進めたもので、市は図書館などが入った生涯学習施設を建設するために土地を購入したと説明していましたが、土地は現在もさら地のままになっています。
捜査関係者などによりますと、任意の事情聴取に対し、前市長は金を受け取ったことは認めたものの、貸していた金を返してもらっただけだと話しているということです。
警視庁は、捜査に支障があるとして、3人が容疑を認めているかどうか明らかにしていません。
-- NHK NEWS WEB