静岡県伊東市のホテルの跡地の売買をめぐる贈収賄事件で、収賄の疑いで逮捕された前の市長は、地元の建設会社が集まる会合で「仕事がほしい会社は自分に言ってこい」などと話していたことがわかりました。公共事業の受注が一部の会社に偏っているという指摘もあり、警視庁は贈賄側の会社との関係を深めた経緯を調べています。
静岡県伊東市の前の市長、佃弘巳容疑者(71)は平成27年に、地元の建設会社が所有するホテルの跡地を市で買い取る約束をした見返りに建設会社の役員から現金およそ1000万円を受け取ったとして、収賄の疑いで逮捕されました。
警視庁は17日、前市長の自宅を捜索しました。
警視庁は贈賄側の建設会社と関係を深めた経緯について捜査していますが、数年前、地元の建設会社が集まった会合で、佃前市長が「補正予算を1億確保した。仕事がほしい会社は自分に言ってこい」などと話していたことが、市の関係者への取材でわかりました。
前市長は、市長になる前に3期務めた県議会議員のころから建設会社とのつながりを深めたとされ、公共事業の受注が一部の会社に偏っているという指摘も出ていたということです。
市では佃前市長が関係する事業は「佃案件」とも呼ばれ、実現しなければならない雰囲気があったということで、警視庁は贈賄側の会社との関係を深めた経緯を調べています。
-- NHK NEWS WEB