自動車メーカーの「スズキ」が中国の自動車メーカーと提携を解消する協議に入ったことが明らかになりました。スズキとしては、世界最大の自動車市場の中国から撤退し、高いシェアを持つインド市場に経営資源を集中する狙いがあるとみられます。
関係者によりますと、「スズキ」は、中国での現地生産から撤退する方針を固め、合弁相手の中国・重慶市の自動車メーカー「長安自動車」と提携を解消する協議に入りました。
スズキは20年以上にわたって中国で乗用車の生産を行ってきましたが、今月になって別の中国企業との合弁を解消すると発表していて、長安自動車との提携が解消されれば、世界最大の自動車市場、中国から全面的に撤退することになります。ただ、提携の解消をめぐる協議は、難航する可能性もあります。
中国では、経済成長に伴って高級車や大型車の人気が高まっていて、スズキが手がける小型車の販売は伸び悩んでいました。また、中国では、来年から自動車メーカーに電気自動車の一定の生産を義務づける規制が導入されますが、スズキは、電気自動車を生産しておらず、こうした規制強化も要因とみられます。
スズキとしては、中国から撤退することで、高いシェアをもつインド市場に経営資源を集中させる狙いがあるとみられます。
-- NHK NEWS WEB