朝の通勤・通学で混雑する時間帯に起きた地震で、JRや私鉄は18日夜遅くまで運転見合わせが続くなど、大きく混乱しました。
このうちJR西日本では、利用客の多い駅を結ぶ東海道線や大阪環状線など22の路線で列車を緊急停止させ、駅は運転再開を待つ人で混雑しました。
駅と駅の間の線路上にも140本以上の列車が止まり、最大4時間にわたっておよそ14万人が車両から出られなくなるなど、影響人員は240万人に上りました。
大阪メトロ 御堂筋線は、運転再開が午後10時近くになり、大阪の中心部と北部を結ぶ淀川にかかる橋では、帰宅を急いで歩いて渡る人たちの長い列ができました。
JRでも主な路線については当初、運転再開の見通しを午後5時ごろとしていましたが、実際に再開したのは、午後11時ごろにずれ込みました。
復旧に時間がかかったことについて、鉄道の運行システムに詳しい工学院大学の曽根悟特任教授は「建物の被害からすると、過剰に交通機関が影響を受けたという印象だ。地震時、安全確保が最優先というのは言うまでもないが、鉄道を止めると人や物の動きが止まるということなので、一律に全区間で止めるのではなく、問題がないと確認された区間についてはどんどん再開させていくという鉄道会社として基本的な姿勢が求められるのではないか」と指摘しています。
これについてJR西日本では、在来線では営業区間946キロのほとんどを実際に見て点検する必要があったとしたうえで、複数の路線をある程度まとめて再開させようとして、車両の移動やダイヤの作成に時間がかかったことや点検を担当する社員が車で移動した際、渋滞に巻き込まれたことで再開が遅れたと説明しています。
JR西日本の来島達夫社長は、19日の定例の会見で、「地震の時にどうやって早く再開するか、路線ごとに影響を最小限にとどめられるよう、運転再開の在り方について考えていきたい」と述べ、今回の対応を検証する考えを示しました。
-- NHK NEWS WEB