茨城県の郵便局の元課長2人がダイレクトメールの発送料金を安くした見返りに発送代行会社からそれぞれ数十万円分の接待を受けたとして、警察は元課長2人と会社の元取締役ら合わせて7人を加重収賄や贈賄の疑いで逮捕しました。元課長らは発送料金を合わせて6億円余り安くしていたということで、警察は日本郵便の本社などを捜索し癒着を深めた経緯などを調べることにしています。
逮捕されたのは、収賄側がいずれも茨城県内にある土浦郵便局の元課長、田中則男容疑者(61)と筑波学園郵便局の元課長の八尾敏男容疑者(46)、それに贈賄側が東京・銀座のダイレクトメール発送代行会社「ティーティーオー」の元取締役、塚原孝則容疑者(42)など合わせて7人です。
警察によりますと郵便局の元課長ら2人はそれぞれ、おととし、ダイレクトメールの発送料金を安くした見返りに、会社側から田中元課長が金額にしておよそ70万円分、八尾元課長がおよそ40万円分の飲食などの接待を受けたとして加重収賄の疑いが持たれています。
また、塚原元取締役ら5人は贈賄の疑いが持たれています。
元課長らは会社から持ち込まれたダイレクトメールの検査を行わず、おととしだけで発送料金を少なくとも合わせて6億円余り安くしていたということで、警察は容疑を裏付けるため、郵便局などに加え、21日夜、東京・霞が関にある日本郵便の本社を捜索しました。
警察は捜査に支障があるとして7人の認否について明らかにしていません。
ダイレクトメールの発送をめぐっては、ことし横浜市の郵便局の元部長も今回と同じ「ティーティーオー」に便宜を図った見返りに接待を受けたとして加重収賄などの罪で起訴されていて、警察は相次ぐ不正の実態や、癒着を深めた経緯を調べることにしています。
-- NHK NEWS WEB