埼玉県の建設会社の社長が購入した高級腕時計の代金を工事の経費に見せかけるなどして1億5000万円余りの所得を隠したとして法人税法違反などの疑いで関東信越国税局から告発されました。
告発されたのは埼玉県熊谷市の建設会社、「田口鉄工所」と田口洋一社長(55)です。「田口鉄工所」は埼玉県内のホテルや介護施設などの鉄骨を組み立てる工事を受注するなどしてこの数年売上げを伸ばしています。
関係者や関東信越国税局によりますと、この会社は田口社長が個人で購入した高級腕時計の代金を工事の経費にみせかける領収書を取引先に作らせたり、下請け業者に経費を水増しした領収書を発行させたりして、所得を少なく見せかけていた疑いがあるということです。
関東信越国税局はおととし4月期までの3年間に1億5600万円の所得を隠しおよそ3900万円を脱税したとして会社と社長を法人税法違反などの疑いでさいたま地方検察庁に告発しました。
田口社長は合わせて数千万円分の腕時計を購入していたということで、NHKの取材に対し、「国税局の指摘を受けて腕時計を売却するなどして修正申告と納税を済ませた。会社の利益が出ていたので税の負担を軽くしたいという思いで脱税してしまったが、反省している」と話しています。
-- NHK NEWS WEB