最先端のデジタル技術を駆使した作品を専門に展示する世界でも珍しい美術館が21日、東京・台場にオープンしました。
この美術館は、大手不動産会社の「森ビル」と、国内外でデジタルアートを発表してきたグループ、「チームラボ」が共同で運営するもので、21日はオープンを記念する式典が行われました。
広さはおよそ1万平方メートル、テニスコートおよそ30面分に上り、薄暗い館内には、壁や床、通路など一面に、およそ50の映像作品が映し出されています。
このうち、床や壁に花の映像が映し出される作品は、足元の花を踏むと花びらが散って、あじさいやひまわりなど季節ごとの花が次々と咲き乱れます。
滝が流れ落ちる映像の作品は、天井から足元に向かって本物さながらの迫力で滝が迫り、流れが足にぶつかると花が咲く仕掛けになっています。
また、「蝶」や「鳥」といった漢字が壁に写しだされる作品は、手で文字に触れると、羽ばたくチョウや鳥に姿を変えます。
このほか、床に家の模型を置くとその前後に道路が映し出され、駅の模型を置くと線路が映し出される作品もあり、子どもたちは自分ならではの町を作って楽しんでいました。
これらの作品は、520台のコンピューターと470台のプロジェクター、そして館内に張り巡らされたセンサーで人の動きに反応します。
最先端の技術を使った芸術作品を全身で感じる「体験型アート」を楽しもうと、初日の21日はチケットが売り切れたということです。
「チームラボ」の猪子寿之代表は、「作品と作品、作品と鑑賞する人の境界を取り払った世界で、新しい発見や体験をしてもらいたいと思います」と話していました。
-- NHK NEWS WEB