8年前まで販売された洗顔用の「茶のしずく石鹸」を使ってアレルギーの症状が出たとして、東京などの男女23人が訴えた裁判で、東京地方裁判所は商品に欠陥があったと認め、化粧品会社など2社に合わせて3400万円余りの賠償を命じました。
平成16年から22年にかけて全国で4600万個余りが販売された「茶のしずく石鹸」は、石けんに含まれた成分によって呼吸困難などの小麦アレルギーの症状の出る人が相次ぎました。
東京などの男女23人は、石けんを販売した福岡県の化粧品会社「悠香」と、製造した奈良県の「フェニックス」、それにアレルギー発症の原因となった成分を製造した大阪市の会社に対して、合わせて3億円余りの賠償を求めていました。
22日の判決で、東京地方裁判所の岡崎克彦裁判長は「2000人を超える人にアレルギーが発症し、このうち25%は生命の危険がある症例だった。商品には欠陥があったと言える」として、「悠香」と「フェニックス」に対し、合わせて3400万円余りの賠償を命じました。
一方、成分を製造した大阪の会社については、「石けんを使って二度洗いの洗顔を奨励していたことに問題があり、成分そのものが安全性を欠いているとまでは認められない」として訴えを退けました。
-- NHK NEWS WEB