成人の日に晴れ着を届けられずトラブルとなった「はれのひ」をめぐる融資金の詐欺事件で、会社は去年秋には事業の継続が困難な状態になっていたことがわかりました。逮捕された元社長は、そうした状況でも晴れ着の購入希望者などから代金を受け取っていて、警察は、ずさんな経営実態や資金の流れについても調べています。
横浜市の晴れ着業者「はれのひ」の元社長、篠崎洋一郎容疑者(55)は、経営が破綻する前のおととし9月、売り上げを水増しするなどした決算書類を提出し、横浜銀行から3500万円の融資をだまし取った疑いで、23日、警察に逮捕されました。
破産管財人によりますと、当時、会社はすでに債務超過となっていて、銀行から不正に融資を引き出したあとも経営は好転せず、去年秋には事業の継続が困難な状態になったということです。
そのため、晴れ着を提供できなくなる可能性もあったのに、篠崎元社長は、ことしの成人式に購入やレンタルを申し込んだ新成人などから代金を受け取っていました。
警察は、事件の全容解明を進めるとともに、背景にあるずさんな経営実態のほか、融資金や売上金など資金の流れについても調べています。
-- NHK NEWS WEB