中国によるインフラ整備や投資が相次ぐカンボジアで、日本の支援で整備が進む南部の港に新たに多目的ターミナルが完成し、フン・セン首相も参加して記念の式典が開かれました。
カンボジア南部にある港湾都市シアヌークビルには、カンボジアで唯一、大型のコンテナ船が寄港できる港があり、日本は1990年代後半からODA=政府開発援助を活用してこの港の整備を支援してきました。
新たに完成したのは、石炭などの貨物を取り扱う多目的ターミナルで、さらに大型のコンテナ船なども寄港することが可能となります。
25日開かれた記念の式典でフン・セン首相は、「きょう、新たな発展を成し遂げた。この港の開発によって、カンボジアはさらなる経済成長を実現することができる」と述べました。
カンボジアでは、2010年以降、中国が日本に代わって最大の支援国となり、水力発電用のダムなど、インフラ整備を進めています。
シアヌークビルでもすでに100社を超える中国企業が進出しているほか、各地で中国主導のリゾート開発が相次ぐなど、影響力が強まっています。
一方、日本政府は今後、235億円の円借款を供与し、シアヌークビルで新たなコンテナターミナルを整備する計画で、JICAカンボジア事務所の菅野祐一所長は、「この港は、カンボジアの経済成長をけん引する非常に重要な港なので、カンボジアが国際競争力を向上できるよう引き続き協力していきたい」と話していました。
-- NHK NEWS WEB