日本を代表する大手メーカーで検査データの改ざんなどが相次いだことを受けて、企業の幹部が参加したシンポジウムが開かれ、官民の代表がそろって品質管理の強化に向けた経営トップの積極的な行動を求めました。
シンポジウムは「神戸製鋼所」や「三菱マテリアル」などで検査データの改ざんなどの不正が相次いだことを受けて、経済産業省や経団連などが開いたもので、企業の役員や品質管理担当の幹部などおよそ500人が出席しました。
この中で、世耕経済産業大臣は「一連の問題は、日本のものづくりに対する信頼や競争力を奪いかねない深刻な問題だ。経営トップが品質に対する意識を強く持ち、現場に浸透させる仕組みが必要であり、産業界のリーダーシップを期待する」と述べました。
また、経団連の中西会長も「企業の根本的な活動に関わるところまで品質問題が波及したことに危機感を覚えている。不正の速やかな公表は経営トップが決断しないとできないことであり、トップが現場に対して関わることが重要だ」と指摘しました。
今回の官民双方の代表の発言は、日本の製造業の強みと言われてきた品質管理の分野で、各企業の経営トップみずからが積極的に行動するよう求めたもので、今後の実行力が問われることになりそうです。
-- NHK NEWS WEB