およそ6兆8000億円を投じる巨額の買収を決めた武田薬品工業の株主総会が開かれ、一部の株主が財務面でのリスクが大きいなどとして反対の意見を表明するなど、買収に関する質問が相次ぎました。
日本の企業による海外企業の買収として最高額となる、およそ6兆8000億円を投じる買収を決めた「武田薬品工業」は、28日に大阪市で株主総会を開きました。
3000人余りの株主が出席した総会では、今回の買収に反対する一部の株主から、大型買収について経営陣の権限に制限をつけるよう会社の定款を変更する議案が出されました。
総会では、株主から財務面でのリスクが大きいなどとして反対する意見が出たほか、買収によって増える負債をどう返済するのかなどの質問が相次いだということです。
これに対して会社側は、財務面での健全性は保てるなどと説明して理解を求め、採決の結果、一部株主が提案した議案は否決されました。
今回の買収をめぐっては、年明けにも改めて開かれる臨時の株主総会で是非が問われることになっていて、株主の判断が注目されます。
参加した株主からは「社長の説明には納得できず、リスクが大きいので買収には反対だ」という声や「海外で利益を上げることが今後、必要になるので、買収には賛成したい」などという意見が聞かれました。
-- NHK NEWS WEB