日立製作所グループの化学メーカー、日立化成は、工場が停電した時などの非常時に使われる産業用の蓄電池の一部で、少なくとも7年前から実際とは異なる検査データを記入して出荷する不正があったと発表しました。
発表によりますと、日立化成は、三重県名張市にある工場で産業用の蓄電池を製造した際、顧客と取り決めた方法と異なる方法で検査を行っていたうえ、検査結果のデータも実際とは異なる数値を記入して出荷していたということです。
この蓄電池は、工場が停電したときなど非常時にバックアップ電源として使われるもので、少なくとも7年前の平成23年4月からおよそ6万台が、およそ500社に出荷されていたとしています。
会社によりますと、製品の性能上の不具合は今のところ確認されておらず、安全性に問題はないとしています。
ことし4月に問題があった工場に人事異動で新しい事業所長が赴任したことをきっかけに不正が把握され、今月になって本社に報告があったということです。
会社は、弁護士などで作る特別調査委員会を設置し、不正が意図的に行われたのかなど、詳しい経緯や原因を調べることにしています。
日立化成の丸山寿社長は記者会見で、「社内で複数の人間が関与していたのではないかと推測している。皆様にご迷惑をおかけし、申し訳ありません」と陳謝しました。
-- NHK NEWS WEB