経団連など3つの経済団体が、5日東京都内で新年を祝うパーティーを開きました。出席した企業のトップに、ことしのキーワードを聞きました。
三菱商事の垣内威彦社長は、ことしのキーワードは『歴史的転換点になる年』として「トランプ次期大統領の動向次第でポジティブにもネガティブにもなると考えている。極めて激動の年になると想定しているが、日本経済は十分対応していけると思う」と述べました。
三越伊勢丹ホールディングスの大西洋社長は、キーワードとして『ピンチをチャンスに』をあげ、「不確実で非常に厳しい時代になると言われているが、だからこそ全員にチャンスがあると思ってチャレンジしていきたい」と述べました。
トヨタ自動車の豊田章男社長は、キーワードは『人材育成』としたうえで、「すべてにおいて変化が多い時代なので、人を大切にしたい。このくらいの会社の規模になると、現場に寄り添える数多くのリーダーが必要だ。人材育成にしっかり取り組みたい。また働き方改革もホワイトカラーの生産性が工場で働く人と比べて低いので、事務職の生産性を改善したい」と述べました。
セブン&アイ・ホールディングスの井阪隆一社長は、キーワードは『変化への対応と挑戦』として、「ことしは国内外ともに非常に大きな変化が起きると覚悟している。こうした変化に対して果敢に挑んでいく姿勢で臨んでいきたい」と述べ、新たなサービスや商品の開発に力を入れていく考えを示しました。
みずほフィナンシャルグループの佐藤康博社長は、キーワードとして『不安感の払拭』をあげ、「景気の本格回復に向けては、将来、しっかり生活できるということを制度的につくることが重要だ。われわれ民間も含め、ありとあらゆる施策を講じて、10年後、20年後も、しっかりと生活ができるということを日本国内でムードとして巻き起こすことができれば、景気はさらに強く回復するといえる」と説明しています。
新日鉄住金の進藤孝生社長は、キーワードは『変化への柔軟な対応と実行力』としたうえで「トランプ政権の誕生やEU各国で選挙が行われるなど、海外に大変なリスクがあり、これが絡み合っていろいろな変化が起きると思う。この流れをとらえて柔軟に対応できるかが、問われる年になる」と述べました。
資生堂の魚谷雅彦社長は、キーワードについて、働き方改革などを進める『意思』としました。魚谷社長は「アウトプットを出すには、これまでのように時間をかけるだけではなく生産性を高めることが重要だという機運が高まっている。働き方改革に関する制度が出てきているので、私たち企業経営者が意思をもって取り組んでいく時だと思う」と述べました。
すかいらーくの谷真社長は、ことしのキーワードを『始り』だとしたうえで、「高度経済成長や長いデフレの時代に戻るわけはない。ワークライフバランスの充実や労働環境の整備で生活の豊かさが出てくると思うので、豊かで成熟した国家を作っていくことができるのか、重要な年になると思う」と述べました。
カルビーの松本晃会長は、ことしのキーワードに『おもしろそうな1年』という言葉を挙げ、「会社の中の個人がワクワクしながら仕事や生活をしないとダメなので、私の仕事は会社の人たちをワクワクさせてあげることだと思っている」と述べました。
石川県で金箔を使った工芸品を製造する箔一の会長で、経団連の審議員会の副議長を務める浅野邦子さんは、キーワードとして『地方経済の活性』を挙げたうえで、「経済が発展するには、地方の経済が発展しないと絶対に無理です。女性が活躍するうえでも東京だけで活躍するわけにはいかないので地方が元気になってもらう必要があり、地方は、その地方でしかできない特色を前面に出していくべきだ」と述べました。
ベビーシッターの派遣や保育所の運営を行うポピンズの中村紀子社長はことしのキーワードを『決める、ブレない、逃げない』とし、「日本の課題は出尽くしているのでことしは実行をする年だ。政治家も経営者もみんな、決める、ぶれない、逃げないという姿勢で事にあたっていく年にしないといけない」と述べました。
-- NHK NEWS WEB