日本の新幹線の技術が初めて海外で採用された台湾の高速鉄道が、開業から10周年を迎え、台湾で記念の式典が行われました。
台湾の高速鉄道は、日本の新幹線技術の輸出第1号として、2007年1月に営業運転を始め、南北の主要都市である台北と高雄とを結ぶ350キロの区間を最短でおよそ1時間半で結んでいます。開業10周年を記念して、台湾北部の桃園駅近くに高速鉄道の技術を紹介するパネルや車両の模型などを展示する博物館が完成し、5日に首相にあたる林全行政院長などが出席して式典が行われました。
台湾の高速鉄道は、日本の新幹線の車両を導入し、開業以来大きな事故もなく、利用者の数は延べ4億人を突破するなどビジネスや生活に不可欠なものとして定着しています。運営会社は一時、多額の累積赤字を抱えましたが、当局から支援を受けて経営を立て直し、去年台湾証券取引所に上場しました。
今後車両の更新や追加が行われれば、日本の新幹線の車両が再び採用されるとの見方も出ていますが、式典に出席した運営会社の江耀宗会長は、NHKなどの取材に対し、「いまの輸送能力で必要な輸送量が完全に提供できている。現段階で計画はない」と述べ、当面は新たな車両を発注する必要性はないとの考えを示しました。
-- NHK NEWS WEB