フランスで、環境保護団体が原子力発電所の上空にドローンを飛ばし建屋の壁に激突させて、原発は、外部からの攻撃に弱いと訴えたのに対し、電力会社は、安全性に影響は無かったとしており、原発の安全性をめぐって再び議論になっています。
国際的な環境保護団体「グリーンピース」は3日、フランス中部のブジェ原発で、小型の無人機ドローンを飛ばし、使用済み核燃料の貯蔵プールがある建屋の壁に激突させたと発表しました。
公開された映像からは、映画「スーパーマン」の主人公に模したドローンが原発の上空を飛行したあと、壁にぶつかって墜落する様子がわかります。
グリーンピースは「フランス議会が、近く原発の安全性に関する報告書を発表するのを前に、原発は外部からの攻撃に弱いと訴えたかった」としていて、原発の安全性を高めるよう求めています。
これに対してブジェ原発を運営するフランスの大手電力会社は「施設の安全性に影響は無かった」としたうえで、原発の上空などに民間のドローンが入ることを禁じるフランスの法律に基づいて、警察当局に告訴する方針です。
ただフランスでは、グリーンピースのメンバーが、これまでも原発の敷地内に侵入し、施設の安全性が問われる事態がたびたび起きており、地元のメディアからは、グリーンピースの対応が議会の報告書に影響を与えるかもしれないという指摘も出ています。
-- NHK NEWS WEB