経済成長が続き、日本企業の進出が相次ぐベトナムで、日本の高等専門学校=高専の教育手法を取り入れて企業の即戦力となる人材を育成しようというシンポジウムが開かれました。
このシンポジウムは、企業の即戦力となる技術系の人材を育成する日本の高専モデルを海外でも普及させようと、国立高専機構がベトナムの首都ハノイで開きました。
会場には、ベトナムの政府や学校関係者などおよそ200人が集まり、国立高専機構の谷口功理事長が「高専は、日本の高度経済成長を支えたモデルです。この国の産業をさらに発展させるためにも、ベトナムに高専をつくりましょう」と呼びかけました。
ベトナムは、毎年6%を超える経済成長が続き、進出する日本企業も1700社余りとこの10年で3倍に増えていますが、企業の実務を担う優秀な人材の育成が課題となっています。
日本式の高専は、すでにモンゴルとタイで導入されています。ベトナムではまず、工業系の短期大学などと連携し、日本から教師を派遣して高専の実践的な教育手法を大学のカリキュラムに取り入れていく予定です。
国立高専機構の谷口理事長は、「ベトナムでは若い人が増えているが、若者をきちんと教育できるかどうかで国の将来が決まってしまう。ぜひ、日本の高専の手法を国の発展のために役立ててもらいたい」と話していました。
-- NHK NEWS WEB