おととし自殺した神戸市の洋菓子メーカーの当時20歳の男性社員について、労働基準監督署は、職場の上司のパワハラや長時間労働による過労死と認定しました。
神戸市灘区の洋菓子メーカー「ゴンチャロフ製菓」に勤めていた前田颯人さん(当時20)は、おととし6月、駅のホームから飛び込んで自殺しました。
家族は「職場でパワハラがあった」として労災を申請し、西宮労働基準監督署が調べていました。
家族の弁護士によりますと、調査の結果、職場の上司が前田さんに対して、日常的に大声で「牛の餌を作っているのか」などとどなりつけていたことなどが確認されたということです。
また、3か月間連続で、いわゆる過労死ラインの月80時間を超える残業を行っていた時期もあったということで、労働基準監督署は、自殺の原因は上司のパワハラや長時間労働によって、うつの状態になったためだとして先月、労災と認定しました。
前田さんの母親の和美さん(44)は記者会見を開き「会社側は、私たちに『そんな事実は認められない』と言い続け、真摯(しんし)に対応してきませんでした。改めて謝罪を求めたい」と話しました。
一方、ゴンチャロフ製菓は「過重労働やパワハラがあったという認識はなく、どういった理由で認定されたのか分からないが、会社の認識とは異なっている」としています。
-- NHK NEWS WEB