文部科学省の前局長が支援事業の選定で東京医科大学に便宜を図る見返りに息子を不正に合格させたとされる事件で、東京医科大学トップの臼井正彦理事長や鈴木衞学長が前局長の息子の入試の点数を加算するよう学内に指示していた疑いがあることが関係者への取材でわかりました。東京地検特捜部は大学が組織的に入試の不正を行っていたとみて実態解明を進めています。
文部科学省科学技術・学術政策局長だった佐野太容疑者(58)は私立大学の支援事業の選定で東京医科大学に便宜を図る見返りに、この大学を受験した息子を不正に合格させたとして、4日受託収賄の疑いで東京地検特捜部に逮捕されました。
関係者によりますと佐野前局長は収賄のほう助の疑いで逮捕された東京の会社役員谷口浩司容疑者(47)を通じて東京医科大学の臼井理事長と知り合い、理事長から文部科学省が特色ある研究に対して費用を支援する「私立大学研究ブランディング事業」の対象に東京医科大学が選定されるよう依頼されていたということです。
そして選定に便宜を図ってもらう見返りとして臼井理事長や鈴木学長が前局長の息子の入試の点数を加算するよう学内に指示し、合格させていた疑いがあるということです。
特捜部の任意の事情聴取に対し臼井理事長はこうした経緯をおおむね認めているということです。
特捜部は理事長らの行為が贈賄にあたるとみて在宅で捜査を続けるとともに、大学が組織的に入試の不正を行っていたとみて実態解明を進めています。
東京医科大学は、「捜査に関することはコメントできない」としています。
-- NHK NEWS WEB