経営統合に向けた協議がこう着していた石油元売り大手「出光興産」と「昭和シェル石油」は、来年4月に経営統合することで最終的に合意しました。これまで反対してきた出光の創業家が、一定の条件のもとで統合を受け入れたことで、3年にわたり難航していた統合協議がようやく決着することになりました。
両社の会見によりますと、「出光興産」と「昭和シェル石油」は来年4月に、両社の株式を交換する方法で出光が昭和シェルを子会社化する形で経営統合することで合意しました。
両社は、3年前の2015年、経営統合をいったん合意しましたが、出光の大株主の創業家が反対したため統合協議はこう着状態になっていました。
その後、出光が創業家側と協議を重ねた結果、創業家が2人の役員を推薦できるようにすることや統合後も「出光」のブランドを残すことなど、一定の条件のもとで創業家が統合を受け入れたとしています。これによって、経営統合の方針を明らかにしてから3年にわたり難航していた両社の統合協議はようやく決着することになりました。
両社は統合後の正式な会社名を「出光興産」とする一方、企業活動は、「出光昭和シェル」の名称で行うとしています。またガソリンスタンドは、一定の期間はそれぞれが現在使っている名前で営業し、ブランド名を統一するかどうかは、統合後に判断するとしています。
石油元売り業界をめぐっては、ガソリンなど石油製品の国内需要が縮小する中、事業の効率化に向けた再編の動きが相次いでいて、去年は、業界最大手の「JXホールディングス」と「東燃ゼネラル石油」が統合し、「JXTGホールディングス」が発足しています。
-- NHK NEWS WEB