評論家の西部邁さんの自殺を手助けした罪に問われているテレビ番組のディレクターなど2人の初公判が開かれ、ディレクターは「西部先生自身の意志でやったものです」と述べて、争う姿勢を示しました。
ことし1月、東京・大田区の多摩川で評論家の西部邁さんが自殺し、西部さんが出演していた東京メトロポリタンテレビジョン=TOKYOMXの番組を担当していたディレクターの窪田哲学被告(45)と、西部さんの知人で会社員の青山忠司被告(54)が手助けしたとして自殺ほう助の罪に問われています。
12日、東京地方裁判所で開かれた初公判で、窪田被告は「私が自殺を働きかけたわけではなく、西部先生の意志でやったものです」と述べて、争う姿勢を示しました。
一方、青山被告は「間違いありません」と述べて、起訴された内容を認めました。
検察は冒頭陳述で「西部さんは以前から『病院で死ぬのではなく自殺を選びたい』と周囲に伝えていた。被告らは西部さんを尊敬し恩義を感じていたため、遺書の作成を手伝ったほか、ロープや車などを用意し現場まで連れて行った」と説明しました。
そのうえで、検察は青山被告に対しては懲役2年を求刑し、窪田被告については裁判を分けて審理が行われることになりました。
-- NHK NEWS WEB