大学生ら15人が死亡した長野県軽井沢町のバス事故から、まもなく1年になるのを前に、全国で高速バスを運行する会社が運転手向けに、脳の動きを活性化するアプリを導入し、事故防止につなげようという取り組みを始めました。
今回の取り組みは、全国で高速バスの運行などを行うウィラーグループが、別の会社が去年1月に起こした長野県軽井沢町での事故を受けて、運転手の健康管理を強化しようと、6日から試験的に始めました。
対象は関東地方を発着する高速バスの運転手およそ100人で、運転の前後にタブレット端末を使って、記憶力や集中力などを鍛えるアプリを使用します。アメリカの脳科学者らが開発したこのアプリを使うことで、脳の働きを活性化し、事故防止につなげることが狙いです。
43歳の運転手の男性は「ゲーム感覚で簡単にできるのでとてもよい。運転中はさまざまな危険を察知して判断する必要があるので、今後も積極的に活用したい」と話していました。
この会社では、首に取り付けた機器で耳の脈を測定することで、眠気を検知し、運転手には振動で注意し、会社の運行管理者にも知らせるシステムを去年7月から導入しています。
この会社で広報を担当する本田紗也香さんは「最新技術で運転手の健康管理をさらに強化していきたい」と話していました。
開発会社によりますと、眠気を検知するシステムは、全国のバス会社で導入が相次いでいて、デジタル技術を使って事故防止につなげようという取り組みが広がっています。
-- NHK NEWS WEB