東京・杉並区にある医療機関が、40代の女性に肺がんの疑いがあったにもかかわらず、4年前から複数回の検査で「異常なし」と判断していたことがわかりました。この女性は、ことしになって肺がんと診断され、先月死亡し、医療機関側は検査画像の見落としがあったとして、遺族に謝罪しています。
検査の見落としがあったのは、杉並区高円寺南にある「河北健診クリニック」です。
杉並区によりますと、このクリニックは、区内に住む40代の女性が平成26年と27年に会社の健康診断で胸のエックス線検査を受けた際に腫りゅうのかげが映り、肺がんの疑いがあったにもかかわらず「異常なし」と判断したということです。
さらに、ことしに入ってからも、区の肺がん検診で行った胸のエックス線検査で、このクリニックは、再び「異常なし」と判断していました。
ことし4月、女性が呼吸困難で別の医療機関に救急搬送された際に検査でしこりがみつかったため、過去の画像を確認したところ、見落としがわかったということです。
女性は、その後、肺がんと診断されて治療を続けていましたが、先月、死亡しました。
クリニックを運営する医療法人は、検査画像の見落としを認め、遺族に謝罪しています。また、17日午後に記者会見を開いて見落としの原因や再発防止策などについて説明することにしています。
-- NHK NEWS WEB