日本や中国の企業などが激しく受注を争ってきたマレーシア=シンガポール間の高速鉄道の建設計画について、マレーシアのマハティール首相は、当初の中止方針を、高額な違約金を理由に延期へと変更し、今後、シンガポール側から了承を得たい考えです。
マレーシアとシンガポールは、両国にまたがる350キロの区間を、90分で結ぶ高速鉄道の建設を計画し、日本や中国の企業などが受注を目指して激しく争ってきました。
しかし、ことし5月の選挙で勝利し、首相に就任したマハティール首相は、採算がとれないとして、中止方針を表明し、シンガポール側から戸惑いの声が上がっていました。
これについて、マハティール首相は19日、記者団に対し、「国の財政状況を踏まえ、計画を進めるべきではないと思ったが、中止にかかる費用を勘案して延期とすることに決めた」と述べ、中止としていた方針を延期へと変更することを明らかにしました。
中止の場合は、高額な違約金を支払う必要があったということで、今後、シンガポール側と協議し了承を得たい考えです。
マハティール首相は、財政再建に取り組むとして、外資系の企業が関係する公共事業の全面的な見直しを進め、中国を中心に各国の企業にも影響が広がっていて、その政策の行方への関心が高まっています。
-- NHK NEWS WEB