韓国で販売された加湿器用の殺菌剤に有害物質が含まれ、多くの乳幼児などが死亡した問題で、業務上過失致死傷などの罪に問われた企業の元社長に、裁判所は「殺菌剤の安全性について、十分に検証もせず、悲惨な結果を招いた」として、懲役7年の実刑判決を言い渡しました。
韓国では2001年から2011年にかけて、製造・販売された複数の銘柄の加湿器用の殺菌剤に有害な化学物質が含まれ、使用した家庭で乳幼児などが肺を損傷して、これまでに113人が死亡しました。
最も多くの被害を出したのは、イギリスに本社がある日用品メーカー、オキシー・レキット・ベンキーザーの韓国法人で、シン・ヒョンウ(申鉉宇)元社長らが業務上過失致死傷などの罪に問われました。
ソウル中央地方裁判所は6日、「殺菌剤の安全性について、十分に検証もせず、『子どもにも安全』などと偽りの表示をして商品を販売した結果、多くの人が死傷する悲惨な結果を招いた」として、シン元社長に懲役7年の実刑判決を言い渡しました。
また、この企業の製品開発を行った研究所の元所長や別の殺菌剤メーカーの元社長にも、懲役7年の実刑判決が言い渡されました。
一連の裁判で、殺菌剤を製造・販売した企業の関係者に判決が言い渡されたのは初めてです。
-- NHK NEWS WEB