おととし大学生など15人が死亡した長野県軽井沢町のバス事故で、バスを運行していた会社が必要な労使協定を結ばずに、運転手に違法な残業をさせていたとして、この会社と当時の運行管理担当の社員が労働基準法違反の疑いで書類送検されました。
おととし1月、長野県軽井沢町でスキーツアーのバスがカーブを曲がりきれず道路脇に転落し、乗客の大学生や運転手など15人が死亡、26人がけがをしました。
労働基準監督署は、バスを運行していた東京・羽村市の「イーエスピー」を捜索し、運転手らの勤務記録を押収するなどして勤務実態を調べてきました。
その結果、残業をさせるのに必要な労使協定を結ばず、事故の前の月までの3か月間にわたって8人の運転手に対し、違法な残業をさせていたとして労働基準監督署は20日、会社と当時の運行管理担当の社員を労働基準法違反の疑いで書類送検しました。
事故を起こして死亡した運転手については、前の月に採用されたばかりで、容疑の対象の残業には含めませんでしたが、労働基準監督署は、違法な勤務管理が常態化していたとみています。
この事故をめぐっては、警察が、事故を起こした運転手が大型バスの運転に不慣れだったにもかかわらず指導を怠ったとして、去年6月に会社の社長らを業務上過失致死傷の疑いで書類送検しています。
-- NHK NEWS WEB