中国で、国の基準に適合しないワクチンが大量に販売されるなど相次いで不正が明らかになり、国民の間で批判が広がっていて、習近平国家主席が真相究明を徹底するよう指示を出すなど、中国政府は事態の鎮静化に追われています。
中国政府は今月中旬、東北部 吉林省長春にあるワクチンの大手製造会社が、狂犬病のワクチンに関するデータを改ざんしていたなどとして調査していることを発表しました。
この会社は去年、国の基準を満たしていないジフテリアや破傷風など三種混合のワクチン25万本余りを販売していたとして監督当局から処分を受けていて、相次ぐワクチンの安全性をめぐる不正に、子どもを持つ親など国民の間で批判が広がっています。
これを受けて23日夜、アフリカを訪問中の習近平国家主席が真相究明を徹底するよう異例の指示を出したほか、警察も会社の幹部らを取り調べていると発表するなど事態の鎮静化に追われています。
中国では、これまでにもワクチンをめぐる不正がたびたび問題になっていて、中国版ツイッターのウェイボー上には、「良心のかけらもない」などと企業への厳罰や政府の監督責任を問う意見が相次いで書き込まれ、波紋が広がっています。
-- NHK NEWS WEB