東京オリンピックの開幕まで24日で2年となる中、山口県柳井市にある車体メーカーは、大会を訪れたイスラム教徒が礼拝する場所に困らないよう、トラックを改造した「モスクカー」を開発し、訪れた人たちをもてなそうと準備を進めています。
イスラム教徒にとって、聖地メッカのある方角を向いて1日5回の礼拝を行うことが欠かせませんが、大会の組織委員会によりますと、選手村には礼拝用の施設を設けるものの、競技会場には整備の計画がないということです。
山口県柳井市にある車体メーカーは、イスラム教徒の選手や観客が、気兼ねなく試合に臨み観戦できる環境を整えようと、移動式の礼拝堂「モバイルモスクカー」を開発しました。
「モスクカー」はトラックのコンテナを改造して左右に大きく展開することでおよそ50平方メートルの空間を作り出し、50人以上が同時に礼拝することができるうえ、冷暖房や手や足を清めるための設備も設けられています。
メーカーでは、山口大学に留学しているイスラム教徒の学生にモスクカーを試してもらっていて、留学生のアドバイスを参考に、今後はメッカの方角がわかるコンパスや男女が分かれて礼拝するための仕切りを設置するなど改良を行うということです。
社長の秋元徹郎さんは「オリンピックやパラリンピックの会場に配置されれば、おもてなしにつなげられると考えている。イスラム教徒にも喜んでもらえるのではないか」と話しています。
-- NHK NEWS WEB