ロシア極東のサハリン沖で行われている石油と天然ガスの開発事業をめぐって、ロシア国営の石油会社は、日本の会社を含め共同で採掘事業を進めるほかの5社が「不当な利益を得た」として、日本円にして1500億円余りの支払いを求めてロシアの裁判所に提訴しました。
訴えを起こしたのは、プーチン大統領の最側近のセーチン氏が社長を務めるロシア国営の石油大手「ロスネフチ」です。
ロスネフチは、経済産業省や大手商社など日本の官民が出資する会社「サハリン石油ガス開発」や、アメリカの石油メジャー「エクソンモービル」などほかの5社と共同で出資し、サハリン沖で石油と天然ガスの開発事業「サハリン1」を行っています。
訴えによりますと、ロスネフチは、ほかの5社がことし5月までの3年間に「不当な利益を得た」などとして合わせておよそ890億ルーブル(1500億円余り)の支払いを求めています。
ロスネフチは訴訟に至った詳しい理由を明らかにしていません。しかしロシアのメディアはサハリン1と、これに隣接しロスネフチが単独で管轄する別の油田が地下でつながっていて、サハリン1から採掘される石油の権益をめぐって争いがあったと伝えています。
サハリン1は日本とロシアの経済協力の中でも最大規模の事業で、訴訟が両国の協力関係に悪影響をもたらすことも懸念されています。
-- NHK NEWS WEB