文部科学省の国際統括官がJAXA=宇宙航空研究開発機構に出向中、東京の医療コンサルティング会社の業務に便宜を図った見返りにこの会社の元役員から140万円相当の飲食などの接待を受けていたとして収賄の疑いで東京地検特捜部に逮捕されました。特捜部は文部科学省を捜索し癒着の実態解明を進めています。
収賄の疑いで逮捕されたのは文部科学省の国際統括官、川端和明容疑者(57)で、東京の医療コンサルティング会社の元役員、谷口浩司容疑者(47)が贈賄の疑いで再逮捕されました。
東京地検特捜部の調べによりますと、川端国際統括官はJAXA=宇宙航空研究開発機構に理事として出向していた平成27年8月から去年3月にかけて、谷口容疑者が役員を務めていた医療コンサルティング会社の業務に便宜を図った見返りに、都内の飲食店などでおよそ140万円相当の飲食などの接待を受けていたとして収賄の疑いが持たれています。
川端国際統括官は昭和59年に当時の科学技術庁に入庁したあと、文部科学省の総務課長や文化庁の文化部長、さらに、JAXA=宇宙航空研究開発機構の理事などを歴任しました。
そして、去年からは局長級ポストで、省内の国際関係の政策をとりまとめる国際統括官に就いていました。
文部科学省を巡っては科学技術・学術政策局長だった佐野太被告(59)が私立大学の支援事業の選定で東京医科大学に便宜を図る見返りに、この大学を受験した息子を不正に合格させたとして24日、受託収賄の罪で起訴され、谷口元役員も収賄のほう助の罪で起訴されていました。
特捜部は26日、文部科学省を捜索し、局長クラスの幹部と谷口元役員の癒着の実態解明を進めています。
-- NHK NEWS WEB