おととし羽田空港で離陸しようとした大韓航空機のエンジンから火が出て、乗客が緊急脱出した事故について、国の運輸安全委員会は、製造時のミスによってエンジンの部品が破断して飛び散り、燃料が漏れたことが原因とみられるとする調査結果をまとめました。
おととし5月、羽田空港でソウル行きの大韓航空機が離陸しようとした際、左側のエンジンから火が出て、乗っていた全員が緊急脱出し、乗客40人がけがをしました。
運輸安全委員会が公表した報告書によりますと、エンジンの内部にあるタービンと呼ばれる円盤状の部品の表面に基準を超える段差があり、この段差に飛行するたびに力が集中したため亀裂が生じたとみられるとしています。
そして、亀裂が進んだことで部品が破断して飛び散り、その衝撃で燃料が漏れ出して火災につながったとみられると結論づけています。
タービンの段差は、製造時の人為的なミスによってできた可能性があるとしていて、事故のあとエンジンメーカーは部品の加工を全自動で行うよう工程を変更するなどの対策を行ったということです。
このほか報告書では、多くの乗客がバックなどを持って避難していたことにも触れ、荷物が脱出用のスライドを傷つけ使えなくなるおそれがあることから、乗客の理解を促す必要があるとしています。
-- NHK NEWS WEB