文部科学省の局長級の幹部がJAXA=宇宙航空研究開発機構に出向中、医療コンサルティング会社の元役員から飲食などの接待を繰り返し受けていたとして、収賄の疑いで逮捕されました。関係者によりますと、この幹部は元役員から依頼を受け、大学の講演会へのJAXAの宇宙飛行士の派遣をあっせんしていた疑いがあるということで、東京地検特捜部が癒着の実態解明を進めています。
文部科学省の局長級ポスト、国際統括官の川端和明容疑者(57)は、JAXA=宇宙航空研究開発機構に理事として出向していた平成27年8月から去年3月にかけて、東京の医療コンサルティング会社の業務に便宜を図った見返りに、役員だった谷口浩司容疑者(47)から都内の飲食店などでおよそ140万円相当の飲食の接待などを受けていたとして、26日、収賄の疑いで東京地検特捜部に逮捕されました。
谷口元役員は私立大学の支援事業の選定で東京医科大学に便宜を図ったなどとして、24日、文部科学省の前局長とともに収賄のほう助の罪で起訴されましたが、川端国際統括官は谷口元役員から依頼を受け、おととし11月に開かれた東京医科大学の創立100周年の講演会へのJAXAの宇宙飛行士の派遣をあっせんしていた疑いがあることが、関係者への取材でわかりました。
川端国際統括官は昭和59年に当時の科学技術庁に入庁し、文部科学省の総務課長や文化庁の文化部長などを務めたあと、平成27年4月から2年間、JAXAの理事を務めていて、人事や契約などを統括する立場だったということです。そして、去年からは、局長級ポストで、省内の国際関係の政策を取りまとめる国際統括官に就いていました。
特捜部は26日、文部科学省などを捜索し、局長クラスの幹部と谷口元役員の癒着の実態解明を進めています。
特捜部は2人の認否を明らかにしていません。
-- NHK NEWS WEB