決裁文書の改ざんや事務次官のセクハラ行為など不祥事が相次いだ財務省は、職員のコンプライアンスの徹底などを図るため、新たな会議を省内に立ち上げます。省を挙げて組織改革に取り組む姿勢を示す狙いがありますが、失った信頼を取り戻せるのか厳しく問われることになります。
財務省では、決裁文書の改ざん問題で、ことし3月、佐川前国税庁長官が辞任したのに続いて、4月には福田前事務次官がセクハラ行為で辞任し、2人の事務方のトップがいずれも空席という異例の状態が3か月にわたって続いています。
財務省は27日、新しい事務次官に予算編成を担当する岡本薫明主計局長を充てる人事を発表し、新たな体制のもとで組織の立て直しを図ることにしています。
これに合わせて、財務省は、コンプライアンスの徹底を図るため、省内に新たな会議を立ち上げ、省を挙げて組織改革や職員の意識改革に取り組む姿勢を示すことにしています。
また、セクハラ問題の対応で「世間の常識とかけ離れている」と批判されたことから、企業再生に取り組んだ経験を持つ「ボストンコンサルティンググループ」の秋池玲子氏を参与に任命し、組織の立て直しに外部の視点を生かしたいとしています。
財務省は、一連の取り組みを通して組織の再生を図りたい考えですが、相次ぐ不祥事で失った信頼を取り戻せるのか、厳しく問われることになります。
-- NHK NEWS WEB