3年前、大手広告会社 電通の新入社員だった高橋まつりさん(当時24)が過労のため自殺し、労働基準法違反の疑いで書類送検された当時の上司が不起訴となったことについて、東京の検察審査会は「不起訴は妥当だ」とする議決を出しました。
電通をめぐっては3年前、新入社員だった高橋まつりさんが過労のため自殺し、去年10月、高橋さんなど社員4人に違法な残業をさせていたとして、法人としての電通が労働基準法違反の罪で罰金50万円の判決を受けました。
一方、高橋さんの当時の上司については東京地方検察庁が起訴猶予にしましたが、母親の幸美さんがこれを不服として検察審査会に審査を申し立てていました。
これについて東京第一検察審査会が審査した結果、当時の上司について、今月12日付けで「不起訴は妥当だ」とする議決をしました。
議決で検察審査会は「当時の上司に責任があることは否定できないが、違法な長時間労働は全社的に行われており、組織の中で個人ができる対策は限られていた。尊い命が奪われた親族の心情は察するにあまりあるが、処分を覆すだけの理由はない」などとしています。
不起訴は妥当だとする議決に対しては再び審査を求めることはできません。
-- NHK NEWS WEB