世界一の規模となっている中国の外貨準備高は、海外への資金の流出を背景にした人民元のドルに対する急激な値下がりを食い止めるため、当局が市場介入を積極的に行ったことなどから、去年末の時点で3兆105億ドルとなり、2年連続で大幅に減少しました。
中国の中央銀行、中国人民銀行は7日、外貨準備高が去年末の時点で3兆105億ドル(日本円でおよそ352兆円)になったと発表しました。
これは、1年前と比べて3198億ドル(日本円で37兆円余り)減っていて、おととし、5126億ドル減ったのに続いて2年連続の大幅な減少となりました。
中国では、景気の先行きの不透明感や、アメリカのトランプ次期大統領の政策に対する期待を背景に、企業や個人が海外で事業や不動産を買収するといった理由から、人民元を売ってドルを買う需要が高まり、外国為替市場では、元のドルに対する為替レートが去年1年間でおよそ7%下落しました。
中国人民銀行は外貨準備高の減少について、「為替レートを安定させたことが主な要因だ」と説明していて、市場では、中国の金融当局が、元のドルに対する急激な値下がりを食い止めるため、ドル売り・元買いの介入を積極的に行ったことなどによるものだという見方が広がっています。
中国の外貨準備高は依然として世界一の規模ですが、海外への資金の流出が止まらない実態が浮き彫りになった形で、中国政府の今後の対応が焦点となりそうです。
-- NHK NEWS WEB