国立研究開発法人の産業技術総合研究所はAI=人工知能の開発を進めるため、国内最速の計算速度を誇るスーパーコンピューターを開発し来月から運用します。企業などに広く利用してもらい、自動運転や医療などの分野でAIを活用した技術開発を加速させたい考えです。
スーパーコンピューターは産業技術総合研究所が富士通と開発し、千葉県柏市の東京大学のキャンパスの中の施設に導入されました。
名前は「ABCI」と名付けられ、実際に測定された計算速度は1秒間におよそ2京回と、国内では最速で世界でも5番目の速さを誇るということです。
世界的に進むAI=人工知能の開発では「ディープラーニング」と呼ばれる、膨大なデータをコンピューターに学習させる手法が主流になっていて、短時間で学習するスーパーコンピューターが求められているということで、「ABCI」は、AIの開発に特化したソフトウエアやデータ処理装置などを搭載しているのも特徴です。
産業技術総合研究所では、企業や大学なども簡単な審査で広く利用できるようにする方針で、AIによる自動車の自動運転やがんなどの医療診断など、さまざまな分野で人工知能を活用した技術や製品開発を加速させたい考えです。
運用は8月1日からで産業技術総合研究所の小川宏高研究チーム長は「トップの研究者や大企業、そして中小企業まで幅広く使っていただきたい」と話しています。
-- NHK NEWS WEB