沖縄のアメリカ軍の施設の建設をめぐり、反対運動を行う人たちを取り上げた番組で名誉を傷つけられたとして、市民団体の代表が番組の制作会社などに賠償を求める訴えを東京地方裁判所に起こしました。
訴えを起こしたのは、市民団体で共同代表を務める辛淑玉さんです。
訴えによりますと、番組制作会社のDHCテレビジョンが制作し、東京メトロポリタンテレビジョン=TOKYO MXで去年1月に放送された番組「ニュース女子」では、沖縄のアメリカ軍北部訓練場のヘリコプター発着場の建設に反対する人たちが取り上げられました。
この中で、辛さんの市民団体のチラシが紹介されて暴力的な反対運動を支援しているかのように放送され、名誉を毀損されたとして、DHCテレビジョンと、司会を務めた元新聞記者の長谷川幸洋氏に1100万円の賠償と、現在もインターネットで配信されている番組の削除などを求めています。
この番組をめぐっては、ことし3月、BPO=「放送倫理・番組向上機構」の放送人権委員会が、名誉毀損が認められるとして「TOKYO MX」に対し、再発防止に努めるよう勧告しています。
会見した辛さんは「放送でデマを流せば、人を傷つけ、社会を壊します。再発防止の思いを込めてこの裁判を起こしました」と話しています。
提訴についてDHCテレビジョンは「訴状の内容を見ていないので現段階ではお答えしかねる」としています。
また、長谷川幸洋氏の所属事務所は「訴状が無いのでコメントのしようがない」としています。
-- NHK NEWS WEB