アメリカのトランプ政権が、中国からの輸入品に関税を上乗せする制裁措置をさらに強めることについて、中国の王毅外相は「自業自得の結果を招く」と述べ被害を受けるのは中国製品を使うアメリカの企業や消費者だと警告しました。
アメリカのトランプ政権は1日、中国からの2000億ドル規模の輸入品に25%の関税を上乗せして、中国の知的財産権の侵害に対する制裁措置をさらに強めると発表しました。
中国で副首相級の国務委員を兼ねる王毅外相は2日、訪問中のシンガポールで記者会見し、「一方的なやり方でみずからの懸念を解決しようとするのは、WTO=世界貿易機関の原則に反しており歴史の流れに逆行している」と述べてアメリカを強く批判しました。
さらに王毅外相は、「目標を達成することができないばかりか、かえって自業自得の結果を招くだけだと」と述べ、関税を上乗せすれば、アメリカ企業が中国で作る製品に影響がでるほか、物価の上昇でアメリカの消費者にも負担になり被害を受けるのはアメリカ自身だと警告しました。
アメリカの関税上乗せの発表に対して中国商務省も報復措置をとる考えを表明していて、米中間の貿易摩擦は一層激しくなっています。
-- NHK NEWS WEB