2年後の東京オリンピックの暑さ対策につなげようと、マラソンのコースとなる東京・日本橋の歩道で芝生や保水性の高いパネルを敷き詰めて地表の温度を下げる実験が行われました。
この実験は、厳しい暑さが懸念される東京オリンピックに向けてマラソンコースの暑さを和らげようと、東京都市大学や環境関連の企業で作る研究グループが日本橋室町の歩道で行いました。
実験は、長さおよそ13メートルとおよそ9メートルの2か所で、保水性の高い特殊なパネルの上に芝生を敷き詰めて行われました。
このパネルは、1平方メートルで12リットルの水を蓄えることができ、雨や打ち水などによる水分が蒸発する際に地表の温度を下げる効果が期待できるということです。
研究グループは、測った温度が色別に表示される特殊なカメラを使って、芝生の温度が周辺のアスファルトの温度よりも低くなっていることなどを確認していました。
研究グループでは、効果を検証したうえで、コースの沿道への導入を働きかけていきたいとしています。
東京都市大学の飯島健太郎教授は「芝生がもともと表面温度を下げるのに加えて、パネルに含まれている水が徐々に蒸発することで熱が奪われて表面温度が下がる。マラソンのランナーや沿道の観客にとっても、路面から反射する厳しい『ふく射熱』を減らすことに役立つと思う」と話していました。
-- NHK NEWS WEB