アメリカのトランプ政権はイラン核合意から離脱したことにともない、日本時間の7日、イランの自動車産業などに対する経済制裁を発動させます。イランへの圧力を強化していく方針ですが、イランは強く反発しており、緊張が高まることが予想されます。
アメリカのトランプ政権は、ことし5月、イラン核合意から一方的に離脱し、これを受けて6日、トランプ大統領は、イランに対して解除していた経済制裁を再開するための大統領令に署名しました。
これによって、1段階目の制裁として、自動車や鉄鋼製品、それに貴金属などの分野でイランとの取り引きを禁じる制裁がアメリカ東部時間の発動されます。
この分野で、外国の企業や金融機関が、イランとの取り引きを行えば、アメリカの市場から締め出されるなど罰則を科されるおそれがあります。
トランプ政権の高官は制裁の発動に先立って6日、「われわれが求めているのはイランの指導部が態度を改め、普通の国のようにふるまうことだ」と述べ、イランが地域を不安定化させるなどの活動を続けるかぎり、イランに対する包囲網を狭め、圧力を強化していく考えを強調しました。
さらに、トランプ政権は、2段階目の制裁として、イランの生命線である原油の輸出を断ち切る構えで、日本など各国に対して、ことし11月までにイラン産原油の輸入を完全に停止するよう求めています。
これに対し、イラン側は激しく反発し、原油の主要な輸送路であるペルシャ湾のホルムズ海峡の封鎖を警告し、さらに、精鋭部隊の革命防衛隊が周辺海域で軍事演習を行うなど、けん制を強めています。
アメリカによる制裁の発動で、両国の緊張が高まることが予想され、中東がさらに不安定化すれば、原油価格など世界経済への影響も懸念されます。
-- NHK NEWS WEB