2年後の東京オリンピック・パラリンピックに向けて東京都や大会の組織委員会は、企業などに対し、道路や鉄道の混雑が懸念される大会期間中の業務の進め方をあらかじめ決めておく、東京大会版のBCP=事業継続計画の作成を呼びかけることになりました。
今回の大会は、競技の多くが東京の中心部で行われるため、期間中の道路や鉄道の混雑による企業活動への影響が懸念されています。
東京都と組織委員会は、大会運営と企業の活動を両立させるため、東京にある企業を中心に大会期間中の業務の進め方をあらかじめ決めておく、BCP=事業継続計画の作成を呼びかけることになりました。
BCPは本来、災害などに備えて作成されますが、東京大会版のBCPでは大会期間中の商品の配送時間やルートの変更、業務を円滑に行うための従業員の時差出勤やテレワークの導入などをあらかじめ検討してもらうことにしています。
都や組織委員会は今後、経済団体と連携してBCPの作成を呼びかけるとともに、競技のスケジュールや混雑の予想される日時の情報提供のほか、作成を支援するマニュアルづくりなども行うことにしています。
BCP=事業継続計画は、企業や自治体が大規模な災害などが起きた際に被害を最小限にとどめて、事業の継続や早期復旧を可能にするため、事前にとるべき対策や発生時の対応などをまとめた計画です。
しかし、民間の信用調査会社「帝国データバンク」がことし5月に行った調査で、災害などに備えてBCPを作成している東京都内の企業はおよそ20%にとどまっています。
東京都や大会の組織委員会は企業などに対して東京大会の期間中に対応するBCPの作成を呼びかけることにしていますが、企業の理解を得ることに加えて計画の作成に必要なきめ細かい情報の提供が求められることになります。
-- NHK NEWS WEB