チェコを訪れている岸田外務大臣は、ザオラーレク外相と会談し、南シナ海やウクライナの情勢について、力による現状変更は認められないとして、法の支配による国際秩序の維持に向け、連携を強化していくことで一致しました。
岸田外務大臣は、日本の外務大臣として16年ぶりにチェコを訪れ、日本時間の9日未明、ザオラーレク外相と会談しました。
チェコを含む中・東欧地域では、中国が経済面を中心に関係の強化を進めていて、会談で、岸田大臣は、日本政府としてもチェコとの経済や人的交流の活発化を後押しする考えを伝えました。そのうえで、両外相は、交流促進のため、双方の国に派遣されて働く会社員の社会保険料の二重支払いを解消するために社会保障協定を改定することなどを確認しました。
さらに、両外相は、南シナ海や東シナ海、それに、ウクライナの情勢について、力による現状変更は認められないとして、法の支配による国際秩序の維持に向け、連携を強化していくことで一致しました。
会談終了後の共同記者会見で、岸田大臣が「互いの重要性を認め合い、特別な関係を築くことができると確信できた」と述べたのに対し、ザオラーレク外相は「国境を力で変更することは絶対に許されず、ロシアによるクリミア半島の侵略と同様に南シナ海、東シナ海の問題も、同じスタンスを取らなければならない。国際法は絶対に守るべきだ」と述べました。
-- NHK NEWS WEB