流通やサービス業界などで働く人が、客から暴言や説教といった悪質なクレームを受けるケースが相次いでいるとして、労働組合は法律の整備など対策を進めるよう厚生労働省に要請しました。
要請したのは、スーパーマーケットや百貨店などの流通業界のほか、飲食やサービス業界で働く人でつくる労働組合「UAゼンセン」です。
10日、松浦昭彦会長が厚生労働省を訪れ、およそ176万人分の署名とともに、要請書を加藤厚生労働大臣に手渡しました。
労働組合によりますと、組合に加盟している、流通業界で働く人たちを対象に行った調査で、回答した5万人余りのうち、悪質なクレームなどの迷惑行為を受けたことがあると答えた人は3万6000人と全体の7割に上ったほか、飲食やサービス業界でも同様の迷惑行為を受けたことがある人が相次いでいるということです。
要請書では、国が悪質なクレームの実態を調査するとともに、法律の整備など対策を進めるよう求めています。
労働組合によりますと、加藤大臣は「署名を真摯(しんし)に受け止め、秋から厚生労働省の審議会のなかでも議論を進めていきたい」と述べたということです。
松浦会長は「悪質なクレームによって、労働者が働き続けにくい状況や悩みを抱える状況も発生している。企業の対策だけではなく、行政の対応も必要だ」と話していました。
-- NHK NEWS WEB