アメリカのトランプ次期大統領が国内の雇用を奪っているとして、メキシコで車を生産するメーカーへの批判を繰り返す中、大手自動車メーカーのフィアット・クライスラーは、1000億円以上を投資して、現地で生産する車種の一部をアメリカの工場でつくることができるようにすると発表しました。
フィアット・クライスラーは8日、アメリカ中西部にある2つの工場の生産設備を拡充するため10億ドル(およそ1170億円)を投資すると発表しました。
これによって、現在、メキシコの工場で生産している一部の車種をアメリカ国内でつくることができるようになり、新たに2000人の雇用を創出するとしています。
マルキオンネCEOは声明で「世界の生産拠点としてアメリカを強化し続ける」として、国内への投資に積極的な姿勢を強調しました。
トランプ氏がメキシコに生産拠点を置く自動車メーカーに対する批判を繰り返す中、フォードはメキシコに新工場を建設する計画を撤回していて、今回の発表もトランプ氏の発言が影響したものと見られます。
メキシコは日本のメーカー各社にとっても重要な拠点で、トランプ氏に名指しで批判されたトヨタ自動車の豊田章男社長は、アメリカのデトロイトで9日に開幕するモーターショーに出席し、国内の雇用に貢献していることを強調して、粘り強く理解を求めることにしています。
-- NHK NEWS WEB