東日本大震災の津波で大きな被害を受けた宮城県名取市の閖上地区で、港の周辺を巡る周遊船が新たに整備され、12日から運航が始まりました。
「ゆりあげ周遊船」は、沿岸部のにぎわいを取り戻そうと名取市がおよそ4000万円をかけて船や船着き場を整備したもので、夏休みに合わせて12日から期間限定で運航が始まりました。
周遊船は全長12メートルで、12日午前9時の最初の便には、東京や仙台市などから訪れた10人が乗り込み、閖上港に新たに整備された船着場を出発しました。
船に乗った人たちは、港の内湾部を30分ほどかけて巡り、工事が進む防潮堤や、ことしから利用が再開されたヨットハーバーの様子など、復興が進む閖上地区の風景を見て回りました。
周遊船に乗った地元の50代の会社員の男性は、「震災でこのあたりの風景はずいぶん変わってしまい、復興も道半ばですが、近くにある朝市とともに、この周遊船も多くの人たちに利用されるといいと思います」と話していました。
周遊船は、来月2日までの毎週土曜日と日曜日に1日5便運航され、来年以降は運航期間やルートの延長も検討していくということです。
-- NHK NEWS WEB